1. 固定残業代(みなし残業代・定額残業代)に納得が出来ない
昨今の残業代請求の増加を受けて,安易に形式だけの固定残業代制度を導入して残業代の支払いを免れようとする会社が後を絶ちません。
特に,従来までの基本給を減額して固定残業代を設けることにより残業代を支払わないケース,固定残業代以上に残業しても残業代が支払われず固定残業代制度が実質的に機能していないケース、36協定で定めた月の残業時間上限の45時間を上回る固定残業代制度を設けて事実上追加の残業代を支払わないケースなどが増えています。
現在,固定残業代制度が有効であるための要件は明確には決められておらず,事案により判断はわかれますが当事務所では実態に着目して残業代を回収したケースが数多くあります。
固定残業代の判断は経験豊富な弁護士にお任せ下さい。

ここがポイント
- 実質的に機能していない固定残業代は問題あり!
- 一方的な給与体系の変更は問題あり!
- 月 45時間を超える固定残業代制度は問題あり!
2. 管理職だから残業代がもらえないと言われている
残業代を支払わなくてよい「管理監督者」とは,会社でどのように定められているかではなく「経営者と一体的な立場で仕事をしている」かという実態で判断されます。
この判断基準は会社の規模・業態により様々であり,「労働時間に自由があるか」「部下がいるか」「経営の権限があるか」「報酬がふさわしいか」などを総合考慮した判例が多く出されています。
そのため,残業代を請求するためには,どのようにして裁判官に「管理監督者」ではないことを説得出来るかにかかってきますので,経験豊富な弁護士にお任せ下さい。

ここがポイント
- 会社の一部門を統括し経営者と一体的な立場で仕事をしているか?
- 従業員の採用権限,解雇権限があるか?
- 給与は他の一般社員に比べて高額か?
3. 裁量労働制だから残業代はないと言われている
残業代を支払わなくてよい裁量労働制は企画業務型と専門業務型の2種類だけであってその適用要件は法律で厳格に定められています。
それにもかかわらず,実際には裁量労働制には該当しないのに不適切な運用を行い残業代を支払わないケースが近年増加しています。
本来であれば裁量労働制の届け出を受け付ける労働基準監督署で厳格な審査を行うべきですが,現実には労働基準監督署は労働者の勤務実態を具体的に審査していないため不適切な運用が横行しています。
そのため,労働基準監督署では適法と判断されても裁判所では違法な運用であると判断されることがほとんどです。
また,裁量労働制の運用手続きは非常に複雑で厳格であるため,手続き違反で裁量労働制は無効と判断されることも多いです。
裁量労働制で当事務所に相談されて詳細な検証を行った方で,適切な運用のもと適法な裁量労働制と判断された事例は少なく,相談の多くが違法な裁量労働制でした。
裁量労働制の判断は経験豊富な弁護士にお任せ下さい。

ここがポイント
- 労働基準監督署では勤務実態を審査していない!
- 裁量労働制の手続き運用は非常に複雑で厳格!
4. そもそも会社が時間管理をしていない
会社には労働者の労働時間を適切に管理して把握する義務がありますがこれを怠っている会社も多いです。
このような会社は残業代も支払っていないことがほとんどですが,残業代を請求しようにも労働時間を証明する資料があまりないことがあります。
この場合でも,残業代を請求するためには毎日何時から何時まで働いていたのかを可能な限り明らかにする必要があり,会社が管理していないからといって何の証拠もない状態では残業代は認められにくいです。
そこで,後で勤務時間がわかるように在職中に自分で社内メールの記録を取っておく,日記に退社時間をつけておくなどをして残業をしたことの証拠を確保しておくことが重要です。
もっとも,残業代の請求をした場合の会社の典型的な反論は「会社は残業を指示していない,勝手にやっていた」「会社に残っていたけれども仕事はしていない,遊んでいただけだ」になりますので,残業の証拠を確保しておく時に重要なのは単に時間だけを記録するのではなく,毎日誰に頼まれて(会社の指示であること)具体的に何をしていたか(仕事をしていたこと)に関する記録をつけておくことが重要です。

ここがポイント
- 労働時間の証拠を確保しておく!
- 時間だけではなく誰に頼まれて何をしていたかを記録しておくこと!
5.労働基準監督署や他の法律事務所では請求できないと言われた
会社のやり方に不満をもって労働基準監督署に相談に行ったが,労働基準監督署でも色々と言いくるめられて満足行く結果を得られなかったという方も多いのではないでしょうか。
残念ながら労働基準監督署は明らかな法律違反に対して罰を与えることを目的としているため,労働条件の不合理性や残業代未払いに関して少しでも会社が反論を行った場合には会社の主張する事実を前提に物事を判断して実態を調査しないことがほとんどです。
そのうえで,労働者と会社の主張する事実に食い違いがある場合や,契約内容の会社が問題となる場合には民事不介入を理由にその後の調査を行わないことも多いです。
また,労働問題について弁護士に相談したとしても労働に関する社会情勢や法律は日々変わるものであり弁護士により判断内容は大きく異なる場合も多いため,1つの専門家に相談するのではなく複数の意見を聞くのがよいでしょう。
労働問題に関する判断は経験豊富な弁護士にお任せ下さい。

ここがポイント
- 労働基準監督署は民事不介入で実態を審査しない!
- 弁護士による法的判断は1つではない!
6.裁判に勝っても本当に支払ってもらえるか不安
残業代を支払わない会社の中には、本来は残業代を支払う義務があることを認識しつつもあえて支払わないような悪質な会社も多く存在します。
このような場合、会社によっては裁判で残業代の支払命令が出ても判決に従わないこともあり、その場合には会社の財産を差し押さえる手続きが必要になります。
また、会社の財務状況等から会社の支払い能力が不安な場合には、判決が出る前に会社の財産を仮に差し押さえて財産を保全するということも可能です。
当事務所では実際に残業代を回収した場合にだけ費用が発生する完全成功報酬ですので、回収に不安な事案でもお任せ下さい。

ここがポイント
- 裁判前に財産を仮に差押えることも可能!